では今回の3.11東日本大震災で情報メディアがどのように動いたのであろうか? 一口にネット上での情報メディアといっても、さまざまなツールがある。以前はブログが中心だったが、最近はツイッターが登場し、情報メディア自体の役割が変わってきた。そこでブログとツイッターの両者を使って、Web上に現れたキーワードの掛り受けを調べたという。
発災後は、両方とも「募金活動」というキーワードが多かった。ただしツイッターのほうが3月12日段階から募金活動という言葉が出始めるなど立ち上がりが早く、急激に広がった。ブログのほうはツイッターより立ち上がりは遅かったものの、ライフタイム(持続期間)が長いという現象がみられた。ツイッターは立ち上がりが早いが終息も早かったようだ。
またツイッターでの有用な情報の広がりを視覚化したツールも紹介。震災30分後には「風呂に水を貯めろ」「ガスの元栓を閉めろ」「ドアは開けておけ」など、阪神大震災の経験を踏まえたアドバイスが拡散された。その後、避難所の情報など、地震発生後3時間ぐらいまでに有用な情報が急激な勢いで広がっていった。普通の人が情報を発信し、それを見た有名人(インフルエンサー)が情報を拡散するというアプローチが見られたという。
たとえば節電の呼びかけや、停電に伴う情報収集、被災地への電力関係支援を行う「ヤシマ作戦」(TVアニメ・新世紀エヴァンゲリオンに登場する作戦名)は、当日のうちにツイッターで広がった。リアルタイム性ではツイッターが圧倒的に有利であり、ヤシマ作戦に見る草の根的な拡散パターンや、インフルエンサーによる拡散パターンなどについて、ネットで情報がどのように伝搬していくのか調査する術を持つことが重要になるという。喜連川教授は「最近のソリューションは5分単位で情報を取るようなリアルタイム性が求められているが、どのようなメディアが良いというのではなく、多様なメディアを駆使していく時代になっている」と指摘する。